コリオリの力

 3年ほど前、電車に乗っていた時、ある進学塾の広告で以下のような問題が載っていました。
地球の周りを回っている宇宙船の中にいる人が、地球めがけてボールを投げると以下の図の 1,2,3 のうちのどの軌跡を描くか?
Coriolis_effect_l.png
そして、正解は2であると下の方に小さく書いていました。
 しかし、この回答は厳密に言うと誤っています。
下の方に地球が丸みを帯びて描かれていましたが、地球の周りを回っているということを考慮すると
Coriolis_effect_2_l.png
のような軌跡になるはずなのです。これはコリオリの力と呼ばれる力がかかるからです。ただ、そんな難しい言葉を用いなくても以下の図を見れば直感的に誤りであることがわかります。
Coriolis_effect_3_l.png
 宇宙船が地球の周りを回っていると、当然宇宙船自体も回転することになります。(もし回転しない場合はボールの軌跡が後ろ向きに曲がるようになる)ボールが地球に向かうと、地球の重力の影響が大きくなり遠心力と釣り合いがとれなくなり宇宙船の真下に向かって落ちていくことになります。しかし、最初にボールを投げた時の初速は重力の方向と異なります。このため、初速に重力の加速分が加わるとこの図のようになり、2つ上の図の赤線のような軌跡を描くことになるのです。この初速による見かけ上の力をコリオリの力といいます。
 なんと、その広告にこの問題は小学生向けと書いていました。「等速直線運動をしている場合、静止している時と物体の運動は変わらない」ということが理解できているかどうかを問う問題だったのでしょうが、地球の周りを回る宇宙船では不確定要素が多すぎ(地球の大きさを考慮するのか?宇宙船が地球の周りを回転するとき、自分も回転するのか?)問題としてあまりに不適切だと感じました。そもそも、この問題の製作者がコリオリの力を知っているのかどうかも怪しいところです。この広告を見た方がいましたらコメントお願いします。(^_^;)
社会・経済 > 科学・教育 | comments (2) | trackbacks (0)

Comments

遊里 | 2005/09/04 14:02
文章よりも絵にびっくりです!!
くっきー | 2005/09/05 22:12
シンプルにしたからね。手ぬいてます。(^_^;)

Comment Form

icons:

Trackbacks